脳をリフレッシュし、痴呆症を退ける
社会の高齢化が進むにつれて、痴呆症の増加も深刻になってきました。
いつまでも若いフレキシブルな脳を保つうえでも、ぜひ発芽玄米食を
おすすめします。
痴呆症は、脳の血管の詰まりから起こる脳血管型痴呆症と、原因不明
で脳全体が徐々に萎縮するアルツハイマー型痴呆症に大別できます。
このうち、脳血管型痴呆症に対しては、動脈硬化や血栓の予防に役立つ
発芽玄米食は最適です。
また、発芽玄米を食べていると、細胞の働きもぐんと活発になるので、
すでに生じている痴呆症状の改善も望めます。
いっぽう、やっかいなアルツハイマー型痴呆症に対してはどうでしょう。
アルツハイマー型痴呆症の患者さんは、脳のなかでもとくに記憶を司る
「海馬」と呼ばれる部分の損傷が激しいのが特徴です。
じつは、発芽玄米に豊富なギャバは、私たちの脳の、まさにこの海馬に
多く存在し、なおかつアルツハイマー型痴呆症の患者さんの脳では、
海馬中のギャバが大幅に減っていることがわかっています。
ですから、発芽玄米を食べて、脳の海馬に充分なギャバを補充すれば、
アルツハイマー型痴呆症の予防、ひいてはその克服にも役立つ可能性が
あります。
さらに、最近の私たちの研究で、発芽玄米中には、ギャバとは別の、
アルツハイマー型痴呆症を退ける特効成分が含まれていることがわかり
ました。
脳の機能を正常に保つには、ペプチド(アミノ酸が数個つながったもの)
の存在が欠かせませんが、アルツハイマー型痴呆症の患者さんの脳では、
そのペプチドの新陳代謝を促すPEP(プロリルエンドペプチターゼ)
と呼ばれる酵素が異常に多いことが知られています。
PEPが異常に多いため、有用なペプチドの分解が必要以上に進み、
それが脳の機能をかく乱して、アルツハイマー型痴呆症の重大な引き金の
一つになっている可能性が指摘されています。
発芽玄米には、このPEPの暴走を抑える成分が含まれていたのです。
ちなみに、PEP阻害成分は、発芽する前の玄米や、白米にはほとんど
存在しません。玄米が発芽する過程で新しく生まれるものと考えられます。